取捨選択。絞り込み。
「あちらが立てば、こちらが立たず」のようなもの。
二律背反するものを同時に求めてはダメということ。
初級者の練習時、
・“スピードがほしい”&“コントロールもほしい”
・“回転がほしい”&“コントロールもほしい”
また、
・“怪我を早く直したい”&“練習もしたい”
等々
『どちらかをとり、どちらかを止める』こと。
■複数を同時に求めない理由
・物理的に同時にできない。
・資源(リソース)を配分できない。
・能力面・学習面から難しい。
・リスクがある。
■複数を同時に実行すると、全体が崩壊する可能性がある場合は、一つづつ優先順序をつける。
一石二鳥を狙うと、二兎追う者一兎得ずになる。
世の理。
スポーツでは、トレードオフの微塵もない「教え過ぎ」に陥る危険が常にある。
選手の崩壊は、指導・アドバイス側にトレードオフの考えが確立できていないと起きる。
短期的・見た目だけ・直感に依存・他の指導者との連携不足の指導から、教え過ぎ陥る。最悪なのは、受け手(選手)に対する無理解から、“あれも、これも”の指導になること。しかも善意からの指導なので、さらにややこしい。
教え過ぎに陥らないために、選手一人一人がどのような考えで、何の練習をしているのか?理想状況をどのように設定しているのか、共有しておく。
何を選択して、何を保留したか(トレードオフしたか)理解していれば、援助の方法は変わってくる。
■選手寿命に関わることは、迷わずリスクを回避する方向でトレードオフをする。
何かを止める、できない、失ったと感じるかも知れないが、大きな間違い。必ず何かを得ている。
例えば“腱鞘炎は誰でも通る道、フィット感を優先したドリルをする”という(大馬鹿)者の指導・アドバイスは聞いてはいけない。
(プロとドリラーの2つのライセンスナンバーを取得していても、受け容れてはいけない。資格は以前あるアベレージを出した証明に過ぎない。身体へのリスクを顧みないメンタリティは害悪。)
■トレードオフの基本は、どちらかを取り、どちらかを捨てることだが、最終的に捨てたもの以上のものを得る道になるかもしれない。
将来的に、捨てたものを得ていく可能性が秘められている。
■ただし、基本は「選択」。どちらかをきっちり選ぶ。
捨てるものは捨てる。
選んだら、迷わない。

2006.09.20.
■コンサイス カタカナ語辞典
トレード-オフ
[trade-off<trade off (交換する)]
① 〖経〗 物価騰貴率と失業率の間に生ずるジレンマ. 失業率を低くすれば物価騰貴率が加速され, 物価騰貴率を抑えるためには失業率の上昇をある程度許さなければいけないような現象.〈現〉
②複数の条件が同時にみたすことのできないような関係.〈現〉
トレードオフ
■コンサイス カタカナ語辞典
トレード-オフ
[trade-off<trade off (交換する)]
① 〖経〗 物価騰貴率と失業率の間に生ずるジレンマ. 失業率を低くすれば物価騰貴率が加速され, 物価騰...