佐治晴夫博士との話(1990年前後)
先生が会社勤めをしていた頃です。
技術者の育成(発想/仕事の範囲)についてのお願いがあり、先生をお訪ねしました。
先生「ところで、夜が何故暗いか判りますか?」
私 「太陽が無いからか、
アポロンが馬車から落っこちたからですかねぇ。」
先生(いらつく風もなく、ニッコリと)
「宇宙が有限だということ。
そして宇宙が膨張しているからです。
この宇宙に“始まり”があったことも示しています。」
「宇宙に、もし無限の星があるとするでしょう。
そうすると、どんなに遠く、どんなに小さい光でも、
無限に集まることになって、夜昼の明るさは同じになる。
でも、夜は暗い。だから、宇宙は有限。」
「太古から・・・ずーっと昔から宇宙があったら、
昔の光で無限の光が注がれているはず。
でも、夜は暗い。だから、宇宙に“始まり”があった。」
「同じ理屈で、宇宙が膨張しているというのは……」
(以下略)
(本論:育成について)
「技術者は、1つを見て、どこまで類推できるか、
深く洞察できるかです。」
「“夜は暗いものだ”では、
画一された発想になって、進めなくなる。」
#まずは一つのことから、どこまで洞察していけるか?
がキー。
(洞察していく中で、“変わらないもの”・“出発点になるもの”……普遍的なものを見つけることが難しい。
佐治先生は、“心地よさ”・“美しさ”、“(宇宙の中で)大きいもの中に小さいものがあり、小さいものの中に大きいものがある……みんな同じのような感覚……に普遍性を見出されたようです。
モーツァルトの音楽、樹の年輪、小川のせせらぎ、赤ちゃんを抱くお母さんの揺れ、宇宙の波動は『同じ』だと洞察し、1/f ゆらぎの扇風機・音楽CDを開発し、世に送り出しました。)
まずは【洞察力】
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ボウリングで、どこまでの洞察ができるだろうか?あるいは類推ができるだろうか?
ΔRG→フレアが起きる→オイルがトグロ状につく→ピボットポイントが2つできる→キャリーダウンは「点」で作られる→(平均的なスピードと回転数から)→キャリーダウンはオイルゾーンの切れ目から6フィート以内→→→
ボウラー次第。
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ターキーで-14に続く
佐治晴夫博士:宇宙物理学者・理学博士であり、美学者・哲学者。
童話作家であり、自動車のテストドライバーであり、パイプオルガン奏者。
宇宙探査船ボイジャー/NASAで、宇宙人との交信手段の考案者。
映画『コスモス』での「この宇宙は我々だけでは広すぎる」のセリフは佐治先生の言葉。
モスクワ大学で教鞭をとったことがあり、ローマ法王と直接話しをしたことがある。
1/fゆらぎを応用した扇風機や炬燵の開発者。
北野たけし氏のテレビ番組では、天文科学から、恋愛の科学まで披露している。#学生からは「スプーン先生」と呼ばれています。
#駅の立ち食いそば屋に、ご一緒いただける気やすさがある先生です。
2009.03.